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愛知県東三河に住む鴨川嘉郎(染谷将太)は、何の取り柄も才能もない平凡な高校2年生、童貞アタマの中は四六時中エッチな妄想ばかりだが、いつの日か運命の彼女に出逢えると夢見ている。東京から転校してきた美少女、浅見紗英(真野恵里菜)に心惹かれるが、幼馴染のヤンキー女子高生、平野美由紀(池田エライザ)も気になる存在だ。
悶々とした日々を過ごす嘉郎だったが、ある日突然、人の心の声が聞こえるテレパシー能力に目覚める。突如赴任してきた、美人教師、ポルナレフ愛子(高橋メアリージュン)のエロさに目を奪われつつ、周りの正直すぎる心の声に一喜一憂しながら過ごす中、テレキネシスでスカートめくりをする喫茶店マスターの輝光(マキタスポーツ)や、全裸でテレポーテーションする露出狂のバスケ部員、榎本(深水元基)、透視能力で相手の臓器を見ることで快感を得るいじめられっ子の矢部(柾木玲弥)たちの存在に気づき、超能力を持つエスパーが自分だけではないことを知る。
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そんな中、東京からやってきた超能力研究の第一人者で紗英の父、浅見教授(安田顕)と助手の秋山(神楽坂恵)により、この町で能力に目覚めたエスパー達が一同に集められた。なんとそこには、美由紀の姿も。彼女も嘉郎と同じテレパシー能力を持つエスパーだったのだ。芽生えた能力を主に“エロ”目的だけに使ってきたエスパーたちは、かつて、アメリカで超能力者が多数発生し、やがて全員が悪の能力者によって惨殺された事件「ダルースの惨劇」を知ることとなる。そして、教授は彼らにこう告げた。「悪のエスパーによって、この町でダルースの惨劇が繰り返されようとしている。君たちが世界を救うんだ!」ヒーロー気分で舞い上がるポンコツエスパーたちだったが、教授が予見したとおり、東三河に驚愕の事態が起こる。
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なんと、街行く女性たちが皆、エロ化していくのだ。
そんな中、美由紀と紗英が拉致されてしまう。二人を救うため、嘉郎たちは戦いに身を投じるが、次第に追い詰められていく。1人、また1人と倒れていく中、嘉郎は、敵エスパーの真の目的を知ることに。そこには、嘉郎が捜し求める“運命の人”につながる驚愕の秘密が隠されていたのだったー。
史上最も頼りないヒーローは、世界を守り、運命の人を救いだすことができるのかー!?
- 愛知県豊川市生まれ。
1987年、『男の花道』でPFFグランプリを受賞。PFFスカラシップ作品『自転車吐息』(90)は、ベルリン国際映画祭正式招待のほか、三十を超える映画祭で上映された。以後、衝撃作を続々と誕生させ、各国で多数の賞を受賞。映画以外にも大ヒットドラマ『時効警察』(06・07/EX)の脚本・演出なども手掛けている。『愛のむきだし』(08)での第59回ベルリン国際映画祭フォーラム部門 カリガリ賞・国際批評家連盟賞を筆頭に、『冷たい熱帯魚』(11)での第67回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門・第35回トロント国際映画祭ヴァンガード部門正式出品、『恋の罪』(11)では第64回カンヌ国際映画祭監督週間での上映、『地獄でなぜ悪い』(13)では第70回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門正式出品・第38回トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門観客賞受賞と、立て続けに海外で高い評価を受ける。2012年の『ヒミズ』では、第68回ヴェネチア国際映画祭にて主演の二人に同映画祭の新人賞であるマルチェロ・マストロヤンニ賞をもたらし、大きな話題になるなど世界的にもっとも評価されている日本人映画監督の一人。2014年には『TOKYO TRIBE』、2015年には『新宿スワン』、『ラブ&ピース』、『リアル鬼ごっこ』など、監督作が続々と公開されている。待機作に、自身のレーベルによる最新作『ひそひそ星』(16)がある。
- 1975年、大分県生まれ。
学生時代から本格的に漫画家を目指すようになり、「ヤングマガジン」(講談社)で佳作を受賞したことをきっかけに上京。アシスタントを経験した後に「ヤングマガジンアッパーズ」(講談社)で連載された「アマレスけんちゃん」(06)でデビューを果たす。
2006年から2010年まで「ヤングアニマル」(白泉社)で連載された「デトロイト・メタル・シティ」は「このマンガがすごい! 2007」のオトコ編1位、「このマンガを読め! 2007」の1位になり、2008年には主演に松山ケンイチを迎えて実写映画化し一大ヒットとなる。本作の原作である「みんな!エスパーだよ!」は2009年から講談社「ヤングマガジン」にて連載が開始され、その独自の作風が大きな話題を集めている。
- 1965年、兵庫県生まれのシンガーソングライターダンサー。
渡辺美里、吉川晃司等の作曲家としての活動を経て、1986年、「Out of Blue」でデビュー。ブラックミュージック、ロック、ポップス、歌謡曲等、様々な音楽のエッセンスを吸収、発展させたトラックは、ファンキーであったり、バラードであったり変幻自在。加えて、青春や恋愛の機微を描いた瑞々しいワン&オンリーな歌詞が唯一無比、圧倒的な支持を得ている。多彩な楽器を一人でこなしてしまう非凡なプレイヤーでもある。オリジナルアルバムを6枚発表。そういった意味では寡作なアーティストでもある。2011年にセルフカバーアルバム「エチケット」をリリース。自らの楽曲のアップ・トゥ・デイト・バージョンは大きな反響を呼んだ。本作の主題歌「ラブメッセージ」は、通算30枚目のシングルとなり、初の書き下ろし映画主題歌である。
- 「オタマジャクシ」石崎ひゅーい(EPICレコードジャパン)
- 「(Where's)THE SILENT MAJORITY?」高橋優(ワーナーミュージック・ジャパン)
- 「LOVE ME TENGA」永野輝光&マキタスポーツpresents Fly or Die
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原作だよ!
「デトロイト・メタル・シティ」がスマッシュヒットを記録した若杉公徳により、2009年からヤングマガジンで連載スタート。原作者、若杉の出身地である大分県を舞台に、平凡な高校生・鴨川嘉郎ら、およそヒーローらしからぬ超能力者たちの奮闘をコミカルに、ときにシリアスに描き出す独自の作風で話題となる。現在、単行本7巻までが発売されている。
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テレビドラマだよ!
2013年4月クール、監督に園子温、主演に染谷将太を迎え、テレビ東京「ドラマ24」枠で放送が開始される。それまでのテレビドラマでは考えられなかった、パンチラやTENGAといった放送コードの限界に挑んだ表現が大きな話題となり、多くの視聴者の支持を集め、ヒット作となる。ドラマ版の舞台は、園監督の出身地、愛知県東三河に変更され、その独自のロケーションにより、新たな世界観が加えられた。また、高橋優が歌うオープニングテーマ「(Where’s)THE SILENT MAJORITY?」、石崎ひゅーいが歌うエンディングテーマ「夜間飛行」といった物語にさらなる躍動感を加える楽曲も音楽ファンをうならせ、エスパーの代名詞ともなった。同作は日本国内のテレビ番組制作に対する最高の栄誉であるギャラクシー賞の2013年度年間賞 奨励賞(テレビ部門)を受賞する快挙を成し遂げる。そして、2015年4月にはスピンオフ特番「みんな!エスパーだよ!番外編 ~エスパー、都へ行く~」が放送され好評を博す。
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映画だよ!
- 4月30日、愛知県豊橋市。とある田んぼのあぜ道に園子温監督の「スタート!!」の声が響き渡り、遂に『映画 みんな!エスパーだよ!』の撮影が開始された。初日の撮影は喫茶シーホースが舞台。約2年ぶりのシーホースで、キャスト、スタッフ陣はエスパー復活に喜びをかみしめながら、ハイテンションの撮影が始まった!
- 5月6日、嘉郎が通う東三河高校のシーンの撮影。そして、この日は池田エライザ演じる美由紀と、真野恵里菜演じる紗英の撮影初日。新メンバーとしてやや緊張気味の池田だが、初日から豪快な飛び蹴りを染谷演じる嘉郎に決め、大物の風格を漂わせる。そして、この日、本作の代名詞ともいえる紗英のパンチラが復活!園をはじめとしたスタッフたちが一切の妥協を許さず真剣に撮ったパンチラシーンは、もはや芸術的な仕上がりといえる出来となった。
- 5月9日、豊橋市公会堂。早朝から多くのエキストラが列をなす。豊橋市全面協力体制のもと、この日は大規模ロケが敢行された。映画版ならではのスケールアップを図るべく、園の演出にも力が入る。細かいカットを刻んでいく緻密さと、台本にないシーンを直感的に作り上げていく大胆さで、撮影現場を引っ張っていく。
- 5月25日、約1ヶ月の撮影期間を経て、『映画 みんな!エスパーだよ!』が遂にクランクアップを迎える。主役として現場を引っ張ってきた染谷は、クランクアップの挨拶で「今までのエスパーの面白さを保ちつつ、すごい感動作になるんじゃないかと思う」と確かな手ごたえを語った。原作、テレビドラマ、映画と常に進化を遂げてきた「みんな!エスパーだよ!」の映画版に乞うご期待!